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SNSを使う子どもの注意点、「グルーミング」とは?

2023/05/17


子どもがSNSを使う際には、ネットいじめや個人情報の漏洩など、親や教職員にとって心配事が数多くあります。中でも、近年注目されている言葉として、「グルーミング」と呼ばれる行動があります。


本来は動物同士の行動に対して付けられた用語ですが、SNSにおける「グルーミング」とはどのような意味なのでしょうか。


また、子どもがグルーミングの被害にあわないためにはどのような対策が必要なのかについて、この記事で解説します。


1.グルーミングとは?本来の意味とSNSでの意味

「グルーミング」とは、本来は動物が「毛づくろい」をして、身だしなみを整える行動のことを指します。グルーミングはお互いの身体の清潔を保つという目的だけでなく、他の動物との社会的な関係を構築し、信頼関係を深めるためにも重要な行動であるとされており、コミュニケーション行動の一種であると考えられています。


一方で、SNS上での「グルーミング」とは、性的な目的や犯罪目的での交流を行うという目的のもと、相手との間に信頼関係を築くために行われる手法のことを指しています。


具体的には、プロフィールの情報や写真などを分析して、相手の好みや興味を探り、自分自身をその相手にとって好ましい人物、理想的な人物であると見せかけることで相手の心を掴む行為です。


2.子どもがSNSで注意するべきグルーミングの兆候

グルーミングをSNS上での行動で指す場合には、成人が未成年者に対して友好的な関係を築き、性的な接触を試みる、あるいはその他の犯罪行為を目的としていることがあります。


グルーミングを目的として接触してくる人物には、いくつかの兆候が現れます。

まず、性的な話題について話したり、写真を送ってくる、あるいは写真を要求してくるなどの行動が典型的です。この他にも、夜遅い時間にSNSでのメッセージを送ってくるようになったり、他の未成年者との会話が不自然なほどに親密であるなどの兆候もあります。 また、SNS上で「二人だけの秘密」を共有したがるなどの行動もグルーミングでは典型的です。


3.子どもがグルーミングの標的とならないために親が注意するポイント

親として、子どもがグルーミングの被害者にならないようにするためには、いくつかの点に注意する必要があります。


まず大前提となるのが、コミュニケーションの確保です。グルーミングの被害者となる子どもは親とのコミュニケーションに不満や不足を感じているケースがあります。子どもと親とが適切でオープンなコミュニケーションを密に保つことができれば、SNSでのグルーミングを事前に察知し予防できる可能性が高くなります。


また、グルーミングという概念や、グルーミングを行ってくるような悪意のある人物が存在するという知識を子どもに与えておくことも有効です。子どもは、そうした悪意のある人物に関する情報に疎く、自分自身の情報を守る意識が欠如しているケースがあります。何をしてはいけないか、その理由として、どのような危険があるのかを理解させることが重要です。


具体的な例として、「見知らぬ人からのプレゼントは受け取らないこと」や「直接会うことはしないこと」などが挙げられます。SNSの利用時間の制限や、SNSの監視も有効である場合があります。親が寝ていて干渉してこないような、遅い時間を狙ってグルーミングを仕掛けてくるタイプの人物もいます。「親がいる場面でのみSNSを利用すること」や、「ダイレクトメッセージなどは親にも見せること」などのルール付けも有効です


4.グルーミングについて教職員はどのように教えるべきか?

グルーミングは未成年者や子どもに対する犯罪であり、親だけでなく教職員も対策を検討する必要があります。


まず、親とは異なる観点での対策として、「幅広い事例を集めての教育」が挙げられます。

教職員は、教職を業とするネットワークがあり、そこでは不幸にも、グルーミングの被害に遭ってしまった事例や、未然に防いだものの危険性が高い事例などが共有されることもあるでしょう。こうした情報を、教職員だけが知っている状態に留めるのではなく、子ども自身や、場合によっては親・保護者などにも情報提供をして、子どもがグルーミングの被害に遭わないよう対策していくことが重要です。


また、学校教育は公的な性質を持っているため、一般市民と比較すると比較的警察機関や地域の関係機関との連携、協働を起こしやすい土壌が形成されています。専門の担当者を招いての講演やセミナー、座談会などのイベント形式で、子どものグルーミング被害をより強力に抑止する仕組みづくりや、教育機関におけるグルーミングの通報窓口・相談窓口などを設けるのも有効な手段といえます。


まとめ

本来は、他の個体との円滑なコミュニケーションを築くための重要な行動であるはずの「グルーミング」という用語が、SNSにおいては犯罪のための手法として紹介されていることは皮肉といえるかもしれません。


しかし、現実にこうしたグルーミングの手法を使用した事件や事例は後を絶たず、子どもたちはこうした被害の危険にさらされているという現実があります。親・保護者や教職員がグルーミングの手法・手口を理解し、子どもたちに積極的に情報を提供したり、子どもたちとの間でSNS上よりも密なコミュニケーションを形成することで、グルーミングの手口による被害を未然に防ぐことができる可能性は高いといえるでしょう。



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