
小学生でもスマホを持つことが多い今の時代、子供を対象にした「情報モラル教育」を行うことの必要性が強く指摘されています。それはどのようなもので、なぜ必要なのでしょう?今回は情報モラルと、情報モラル教育について解説します。
情報モラルって何?
情報モラルとは、文部科学省の説明によれば「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」のことです。これは平成20年3月に告示された学習指導要領にも記されています。
しかし、この説明だけでは具体的に情報モラルが何を示しているのかわかりません。ここではもう少し噛み砕いて情報モラルとは何なのかを説明してみましょう。
まず、「情報社会」とは誰もがコンピュータやスマホを含む携帯電話でインターネットに接続し、情報をやりとりできる社会のことです。情報社会によって我々は多くの恩恵をこうむっていますが、同時にそこには危険も潜んでいます。一方「モラル」とは簡単にいえば「してはいけないことを知って正しく行動すること」です。しかし情報社会における「してはいけないこと」や「正しい行動」の仕方はまだあまり世の中に浸透していないのが実情です。教育が追いついていないともいえるでしょう。
懸念されるのは、とくに小中学生など子供たちが置かれている状況です。情報モラルは本来、情報社会に身を置くすべての人が身につけるべきものですが、ネット上では大人も子供も関係なく同じ利用者として扱われるため、的確な判断ができない子供には被害が及びやすいといえます。そのため子供を守り、情報モラル教育を行うことが必要とされているのです。
情報モラルが欠落しているとどうなる?
情報社会は現実社会と違って相手の顔が見えづらい世界です。もしも誰か悪意ある人間がいれば匿名性を利用して比較的容易に相手を騙すことができます。また、情報社会では情報の伝わるスピードが現実社会より圧倒的に速く、範囲も広大です。一度情報が流出してしまえばその情報は大量にコピーされながらどこまでも広まっていきます。あとから消すことはできません。
こうしたことは情報モラル教育を受けていなければなかなか思い至らないことです。とくに子供は無邪気にネット上で情報を発信してしまったり、悪意を持った相手に狙われやすかったりするという傾向があります。そのため自分や誰かの個人情報・プライバシーをSNSなどによって世界中に発信してしまったり、ネットで知らされたウソやデマを信じてしまったり、詐欺に遭ったりもしてしまいます。もっと深刻な例では、出会い系サイトで知り合った相手と実際に会い、悲惨な事件を招いてしまうこともあります。これらは正しく情報モラルを身につけて実践していれば、必ず防げることです。
子供に教えたいことと、教え方について
情報モラル教育の内容は大きく2つに分けられます。1つは「情報社会における適切な判断力や望ましい態度が身につくようにすること」。もう1つは「情報社会における危険回避の方法やセキュリティーの知識、健康への意識を持つようにすること」です。
文部科学省では、小中高等学校において情報モラル教育の充実を図ることを決めています。たとえば小学校3~4年では「情報の発信や情報をやりとりする場合のルール・マナーを知り、守る」ことを、小学校5~6年では「何がルール・マナーに反することかを知り、絶対に行わない」ことを、中学校では「違法な行為とは何を知り、違法だとわかった行動は絶対に行わない」ことを教育する……といった方針を打ち出して実際に情報モラル教育を始めています。
しかし情報モラル教育は学校だけに任せておけばいいものではありません。家庭でも子供たちと一緒に情報モラルについて考える必要があります。まず子供とインターネットやスマホについて話すべきです。とくにスマホを与えるときには、スマホで「してはいけないこと」と「正しく行動するための考え方と方法」を教えてください。さらに親として、子供たちのネットの使用状況を正しく把握し、危険を回避するための対策も講じましょう。そのためにもまずは大人たちから、情報モラルのことを正しく、詳しく知ることが必要です。
小学生でもスマホを持つことが多い今の時代、子供を対象にした「情報モラル教育」を行うことの必要性が強く指摘されています。それはどのようなもので、なぜ必要なのでしょう?今回は情報モラルと、情報モラル教育について解説します。
情報モラルって何?
情報モラルとは、文部科学省の説明によれば「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」のことです。これは平成20年3月に告示された学習指導要領にも記されています。
しかし、この説明だけでは具体的に情報モラルが何を示しているのかわかりません。ここではもう少し噛み砕いて情報モラルとは何なのかを説明してみましょう。
まず、「情報社会」とは誰もがコンピュータやスマホを含む携帯電話でインターネットに接続し、情報をやりとりできる社会のことです。情報社会によって我々は多くの恩恵をこうむっていますが、同時にそこには危険も潜んでいます。一方「モラル」とは簡単にいえば「してはいけないことを知って正しく行動すること」です。しかし情報社会における「してはいけないこと」や「正しい行動」の仕方はまだあまり世の中に浸透していないのが実情です。教育が追いついていないともいえるでしょう。
懸念されるのは、とくに小中学生など子供たちが置かれている状況です。情報モラルは本来、情報社会に身を置くすべての人が身につけるべきものですが、ネット上では大人も子供も関係なく同じ利用者として扱われるため、的確な判断ができない子供には被害が及びやすいといえます。そのため子供を守り、情報モラル教育を行うことが必要とされているのです。
情報モラルが欠落しているとどうなる?
情報社会は現実社会と違って相手の顔が見えづらい世界です。もしも誰か悪意ある人間がいれば匿名性を利用して比較的容易に相手を騙すことができます。また、情報社会では情報の伝わるスピードが現実社会より圧倒的に速く、範囲も広大です。一度情報が流出してしまえばその情報は大量にコピーされながらどこまでも広まっていきます。あとから消すことはできません。
こうしたことは情報モラル教育を受けていなければなかなか思い至らないことです。とくに子供は無邪気にネット上で情報を発信してしまったり、悪意を持った相手に狙われやすかったりするという傾向があります。そのため自分や誰かの個人情報・プライバシーをSNSなどによって世界中に発信してしまったり、ネットで知らされたウソやデマを信じてしまったり、詐欺に遭ったりもしてしまいます。もっと深刻な例では、出会い系サイトで知り合った相手と実際に会い、悲惨な事件を招いてしまうこともあります。これらは正しく情報モラルを身につけて実践していれば、必ず防げることです。
子供に教えたいことと、教え方について
情報モラル教育の内容は大きく2つに分けられます。1つは「情報社会における適切な判断力や望ましい態度が身につくようにすること」。もう1つは「情報社会における危険回避の方法やセキュリティーの知識、健康への意識を持つようにすること」です。
文部科学省では、小中高等学校において情報モラル教育の充実を図ることを決めています。たとえば小学校3~4年では「情報の発信や情報をやりとりする場合のルール・マナーを知り、守る」ことを、小学校5~6年では「何がルール・マナーに反することかを知り、絶対に行わない」ことを、中学校では「違法な行為とは何を知り、違法だとわかった行動は絶対に行わない」ことを教育する……といった方針を打ち出して実際に情報モラル教育を始めています。
しかし情報モラル教育は学校だけに任せておけばいいものではありません。家庭でも子供たちと一緒に情報モラルについて考える必要があります。まず子供とインターネットやスマホについて話すべきです。とくにスマホを与えるときには、スマホで「してはいけないこと」と「正しく行動するための考え方と方法」を教えてください。さらに親として、子供たちのネットの使用状況を正しく把握し、危険を回避するための対策も講じましょう。そのためにもまずは大人たちから、情報モラルのことを正しく、詳しく知ることが必要です。